登阪教授が福井大学に着任して2025年4月に発足した、新しい研究室です。当研究室では、繊維構造形成やプラスチック・ゴムの配向による結晶化を主な課題として研究していきます。
登阪教授が京都大学在職中に行った研究を紹介します。
TEM(透過型電子顕微鏡)を用いた形態観察に加え、電子線回折、暗視野増観察、分子配列の高分解能観察などの手法を駆使して、高分子結晶の局所構造が生成する機構を解明してきました。
自然科学研究機構の永山教授が開発した位相板を用いる手法により、通常は染色して観察する高分子のミクロ相分離構造や、染色観察に適さないゴム中のフィラー分散構造を、前処理なしで高コントラスト観察できることを示しました。
ガラスに形成した高配向テフロン薄膜基板の上で、高分子溶液やコロイド溶液が蒸発することにより、超微細な配列構造が形成されるという興味深い現象を発見しました。
天然ゴムは、引っ張ると結晶化し縮めると結晶が解けますが、その根本的な原理については十分に理解されていません。この課題について、Ⅹ線回折など様々な手法を使って取り組んできました。
シリコーンゴムを室温で引っ張ると、メゾ相の形成されることを発見しました。さらに、引っ張ったシリコーンゴムを冷却すると、延伸倍率に応じて特異な構造が形成されることを発見しました。どのような構造なのかを明らかにするため、TEMの中でシリコーンの単結晶を形成し、その解析により最低4種類の結晶形が存在することを明らかにしました。
京都大学化学研究所の山子研究室で、構造制御しながら一段階の反応で多分岐高分子を合成する手法が開発されました。その反応過程をシミュレーションすることにより、一分子内の分岐数や分子量分布がどのようになっているかを明らかにしました。また、多分岐高分子が形成するナノ構造やマクロな物性についても検討を行いました。
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